Microsoft 365 Business StandardとBusiness Premiumは、どちらもデスクトップ版Office、法人メール、クラウドストレージを利用できます。大きな違いは、Premiumに高度なID管理、デバイス管理、脅威対策、情報保護が含まれることです。
WordやExcelを使うことが中心ならStandardが候補です。一方、社外へ持ち出すPCがある、IT担当者が端末を一元管理したい、フィッシングやランサムウェア対策を強化したい企業はPremiumを検討する価値があります。
この記事の結論
- StandardとPremiumは、どちらも最大300ユーザー向け
- デスクトップ版Office、法人メール、1人あたり1TBのOneDriveは両方に含まれる
- Premiumには、Intune Plan 1、Defender for Business、Defender for Office 365、Microsoft Purviewの情報保護などが含まれる
- 公式価格の差は、1ユーザーあたり月額相当1,424円。年払い・税別の比較
- Premiumは「契約するだけ」で安全になるのではなく、端末登録、ポリシー設定、監視、対応手順が必要
StandardとPremiumの比較表
以下は、Teamsを含む一般法人向けプランの比較です。
| 比較項目 | Business Standard | Business Premium |
| 公式価格 | 1,874円/ユーザー・月相当 | 3,298円/ユーザー・月相当 |
| 契約条件 | 年間サブスクリプション・自動更新、年払い、税別 | 年間サブスクリプション・自動更新、年払い、税別 |
| 利用人数 | 最大300ユーザー | 最大300ユーザー |
| Word、Excel、PowerPoint、Outlook | デスクトップ・Web・モバイル版 | デスクトップ・Web・モバイル版 |
| 法人メール | あり | あり |
| OneDrive | 1人あたり1TB | 1人あたり1TB |
| Microsoft Teams | あり | あり |
| ID・アクセス管理 | コア機能 | 高度な機能 |
| 端末・アプリ管理 | 基本構成ではIntuneなし | Intune Plan 1を含む |
| エンドポイント保護 | 基本構成ではDefender for Businessなし | Defender for Businessを含む |
| メール脅威対策 | 標準的な保護 | Defender for Office 365による強化 |
| 情報保護 | 基本機能 | Purviewのデータ損失防止、分類・ラベル付けなど |
価格・機能は変更されるため、契約前にMicrosoft公式のプランと価格で最新情報を確認してください。Teamsを含まないプランや月間契約もあり、同じ名称でも契約条件によって価格が異なります。
共通して使える主な機能
デスクトップ版Office
両プランとも、Word、Excel、PowerPoint、OutlookなどをPCへインストールできます。Microsoftの公式案内では、ユーザー1人につき最大5台のPCまたはMac、5台のタブレット、5台のモバイル端末で利用できます。
PC単位ではなくユーザー単位のライセンスである点に注意してください。共有アカウントを複数人で使う運用は、退職時の停止や操作履歴の確認を難しくします。
法人メールとクラウドストレージ
独自ドメインの法人メール、ユーザー1人あたり1TBのOneDrive、SharePointを両方で利用できます。ファイル共有を個人のUSBや無料ストレージから移すだけでも、引き継ぎとアクセス管理を改善しやすくなります。
ただし、OneDriveは個人の作業領域、SharePointは組織の共有領域として使い分ける設計が必要です。退職者のOneDriveだけに業務ファイルが残る状態は避けましょう。
Premiumで追加される主な機能
Intuneによる端末・アプリ管理
Intune Plan 1では、Windows PCやスマートフォンなどを管理対象として登録し、ポリシーを適用できます。たとえば、端末の準拠状態、暗号化、アプリ配布、業務データへのアクセス条件を組織として管理する土台になります。
社外持ち出しPCが多い、各社員が自由に設定している、端末紛失時の対応が決まっていない企業ほど効果が出やすい機能です。
Defender for Businessによる端末保護
Defender for Businessは、中小企業向けのエンドポイントセキュリティです。マルウェア対策だけでなく、脅威や脆弱性の把握、検知、対応を支援します。
ウイルス対策ソフトを入れて終わりではなく、「どの端末で何が起きているか」を管理画面で確認し、対応する運用へ進むための機能と考えると分かりやすいでしょう。
Defender for Office 365によるメール保護
フィッシング、悪意のあるリンクや添付ファイルなど、メールを入口とする攻撃への対策を強化します。経理、総務、経営者など、送金や機密情報を扱う担当者が狙われやすい企業では重要な比較ポイントです。
高度なID管理と情報保護
Premiumでは、Microsoft Entra IDの高度な機能を使ったアクセス制御や、Microsoft Purviewによる機密情報の分類、データ損失防止を利用できます。
ただし、条件付きアクセスやデータ損失防止は、業務を理解せず厳しく設定すると正当な利用まで止めることがあります。テスト対象を決め、例外、緊急用管理者、解除手順を準備して段階的に適用します。
20ユーザーでの価格差
2026年8月12日時点の公式価格を単純計算すると、次のようになります。
| プラン | 月額相当 | 年額相当 |
| Standard 20ユーザー | 37,480円 | 449,760円 |
| Premium 20ユーザー | 65,960円 | 791,520円 |
| 差額 | 28,480円 | 341,760円 |
いずれも年払い・税別の参考額です。販売店、契約更新時期、Teamsの有無、キャンペーン、既存契約によって実際の金額は変わります。
差額だけを見るのではなく、現在別々に支払っている端末管理、ウイルス対策、メール保護、IT作業時間を含めて比較してください。既存のセキュリティ製品を残す場合は、機能重複と解約条件も確認します。
Standardが向いている企業
- Word、Excel、PowerPoint、Outlookと法人メールが主な目的
- PCは社内利用が中心で、端末数が少ない
- 端末管理やセキュリティ対策を別製品で運用している
- 社内または委託先に、ID・端末・セキュリティを管理する体制がある
- まず共同作業環境を整え、追加対策を段階的に判断したい
Standardでも、多要素認証、共有設定、管理者権限、退職者処理などの基本運用は必要です。「Premiumではないから何も守れない」という意味ではありません。
Premiumが向いている企業
- ノートPCを社外へ持ち出す社員が多い
- 在宅勤務や複数拠点があり、端末を一元管理したい
- 会社PCの設定、暗号化、更新状況が利用者任せになっている
- フィッシングやランサムウェア対策を強化したい
- 個人情報、顧客情報、設計情報など、持ち出しを制御したいデータがある
- セキュリティ製品をMicrosoft 365へ集約し、管理画面を減らしたい
導入前の5つの確認項目
- 利用者と端末の一覧があるか
社員数だけでなく、共有PC、予備機、スマートフォン、退職予定者を確認します。 - 現在の契約と更新日を把握しているか
Office、メール、ウイルス対策、MDM、バックアップの契約を一覧にします。 - 守りたい情報と利用場所を決めたか
個人情報、見積書、設計データなど、情報の種類と保存場所を整理します。 - 設定と運用の担当者がいるか
アラートを誰が確認し、紛失や感染時に誰が端末を止めるかを決めます。 - 移行テストを行えるか
全員を同時に切り替えず、少人数でメール、Office、共有、端末登録を検証します。
よくある失敗
Premiumを契約しただけで安全になったと思う
ライセンスに機能が含まれていても、端末登録、ポリシー、アラート通知、対応手順が未設定なら十分に活用できません。導入作業と月次運用を分けて計画します。
価格だけで全員を同じプランにする
業務とリスクを見ずに一律で決めると、必要な担当者に保護が足りない、または機能を使わない人へ過剰な費用をかける結果になります。職種、端末、データ、勤務場所で利用パターンを分類してください。
既存製品との重複を確認しない
ウイルス対策、端末管理、メール保護が二重になる場合があります。契約期間、アンインストール手順、ログの保存、切り替え期間を確認してから移行します。
まとめ
Business Standardは、Office、法人メール、クラウド共同作業を整えるプランです。Business Premiumは、その機能に高度なID管理、Intune、Defender、情報保護を加え、端末とデータを組織で管理したい企業に向きます。
自社で選べる範囲は、利用者数、端末数、勤務場所、扱う情報、既存契約を一覧にするところまでです。複数製品の重複、移行順序、セキュリティポリシーの設計まで必要な場合は、ライセンス販売だけでなく導入・運用を支援できる事業者へ相談すると判断しやすくなります。
株式会社マリートは、公式サイトでMicrosoft 365を含む正規ライセンスの選定、導入、設定、運用支援を案内しています。まずは利用人数、現在の契約、困っている運用を整理したうえで、お問い合わせフォームから相談できます。
関連ページ
主要参考情報
- Microsoft「一般法人向け Microsoft 365: プランと機能」
- Microsoft「Microsoft 365 Business Standard」
- Microsoft「Microsoft 365 Business Premium」
- Microsoft Learn「Defender for Business とは」
※価格・機能・契約条件は2026年8月12日時点の公式情報です。契約前に最新情報をご確認ください。
